名取 閖上の区画整理認可へ
名取 閖上の区画整理認可へ NHK東北 10月31日 19時24分名取 閖上の区画整理認可へ東日本大震災の津波で大きな被害を受けた名取市閖上地区の区画整理について話し合う県の審議会が開かれ、地区全体で安全な内陸に移転できるようにすべきだという一部の住民の意見書が否決されました。
これによって県は、かさ上げするなどして地区の半分近くを住宅地として再建する名取市の区画整理事業を認可する見通しになりました。
名取市閖上地区では震災で最大8.5メートルの津波が押し寄せ、700人以上の住民が犠牲になりました。
名取市は地区の半分近くにあたる57ヘクタールについて防潮堤の整備や地盤のかさ上げをして、区画整理事業で住宅地や公営住宅を整備する計画です。
しかし、450人あまりの住民が「地区全体で安全な内陸に移転できるよう、住宅地を確保すべきだ」などと計画の修正を求める意見書を提出したことから県の都市計画審議会でこの意見書の採決をめぐる審議が継続されていました。
3度目となった31日の審議会では「議論は尽くされた」として委員18人による多数決が行われました。
そして、住民の意見書に賛成が7人、反対が11人で反対多数により否決されました。
ただし、「市が住民の合意を得るプロセスに問題がある」という声が多数を占め、住民の意見を計画に反映させるよう求める意見が付けられることになりました。
審議会の会長を務める日本大学の森杉壽芳教授は「住民の意見を受けて市に計画の修正を求めれば、市の復興計画すべてが否定されたと世間に受け止められるという慎重な意見もあった」と話しています。
これによって県は来月にも市の区画整理事業を原案通りに認める見通しで、市は来年度中に着工したい考えです。
【「住民の意向反映を」】
内陸に移転先の確保を求める意見書を提出した住民グループの代表樋口節夫さん(65)は審議会を傍聴したあと、「非常に残念だが、議論を尽くしてくれたと思う。市には、住民の意向を反映すべきだとする審議会の意見を真摯(しんし)に受け止めてほしい」と話していました。
傍聴に訪れた別の住民は「これで計画が進むのでほっとしました。早く区画整理を進めてほしいです」と話していました。
名取市の佐々木一十郎市長は市役所で取材に応じ、「審議会は無条件で市の計画を支持したわけではなく、住民の意向を反映すべきだとする指摘はもっともだと思う。今後は個別の対応の中で住民の希望に沿えるような努力をしていきたい」と話していました。
【二転三転する復興計画】
名取市閖上地区の復興計画は住民の合意を得られず、市が方針を二転三転させたため、計画が大きく遅れています。
市は、おととし10月に示した復興計画の中で「区画整理による現地再建」を掲げました。
港町として栄えてきた歴史を重視し、コミュニティーの維持を図りながらいち早く復興を目指したいというのが理由でした。
しかし、去年7月に実施した住民の意向調査では閖上に戻りたいと回答した人は4割に満たず、市は計画の変更を余儀なくされました。区画整理して住宅地を整備する面積を120ヘクタールから70ヘクタールに縮小し、残る50ヘクタールでは集団移転を進めることにしました。
ところが、その後に行ったことし春の意向調査でも閖上地区に戻りたい人が住民の4分の1にまで減少。
市は再び区画整理する面積を縮小させ、当初の半分以下の57ヘクタールとしました。
人口は当初、震災前と同じ5500人を見込んでいましたが、半分以下の2400人にまで下方修正されました。
名取市の復興計画は、すでに当初の予定よりも1年以上遅れていて、市は平成29年度までの完了を目指しています。NHK
http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20131031/5500991.html
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