木曜日, 12月 26, 2013

名取市防災計画改定怠る 閖上検証委(読売)

名取市防災計画改定怠る 閖上検証委 【読売新聞】
津波被害を受けた名取市閖上地区で、震災時に防災行政無線が鳴らなかった原因などを調べる第三者検証委員会は26日、第3回会合を開き、市が地域防災計画の改定を怠っていたなどと中間報告で指摘した。災害時に職員がどう行動すべきかをまとめた初動体制マニュアルも改定していなかったことや、市の知識不足が防災無線の故障発見の遅れにつながったことについても厳しく言及した。

 地域防災計画は2008年を最後に改定されず、09年に防災行政無線が整備された後も、防災無線を活用した住民への情報伝達や誘導体制について、計画に反映していなかった。毎年検討を加えると定めた災害対策基本法にも反しており、「市の防災対策の根幹である計画の軽視」とした。

 初動体制マニュアルでは、06年の市の組織改編で総務課から防災安全課が独立していたにもかかわらず、災害対策本部の事務局は総務課長らが担うとしたままだった。報告では「マニュアルがなかったのと同然」とし、初動体制が不十分だったと指摘した。

 一方、市が発災から約4時間にわたり、防災無線の故障に気づかなかったことについて、市は無線の操作席では確認できなかったと説明していた。この点について報告では、操作席の隣にあった受信機の知識があれば、放送ができているかを確認できたとした。防災無線の不具合に関する実証実験は12月中を予定していたが、14年1月以降に行う。13年度中に最終的な報告書をまとめる方針だ。
(2013年12月27日 読売新聞)


【問題点】
1.地域防災計画の改定を怠っていた
2.災害時に職員がどう行動すべきかをまとめた初動体制マニュアルも改定していなかった(議会に配布されていない)
3.知識不足が防災無線の故障発見の遅れにつながったこと
4.09年に防災行政無線が整備された後も、防災無線を活用した住民への情報伝達や誘導体制について、計画に反映していなかった
5.毎年検討を加えると定めた災害対策基本法にも反しており、「市の防災対策の根幹である計画の軽視」

6.防災無線の故障に気づかなかったことについて、操作席の隣にあった受信機の知識があれば、放送ができているかを確認できた


宮城・名取市の不備指摘 閖上の震災検証委報告 2013年12月27日03時00分 【朝日新聞デジタル】
石橋英昭】東日本大震災の津波で約800人の犠牲を出した名取市閖上地区の災害を調べている第三者検証委員会(委員長・吉井博明東京経済大教授)が26日、第3回会合を同市内で開き、これまでの検証作業を報告した。検証委は、市が地域防災計画の改定を怠り、職員の災害時マニュアルも役立たなかったことなど、市の対応の不備を厳しく指摘。今後、防災行政無線の故障原因を解明する実験などを行い、来年3月までに報告書をまとめる。

 検証委によると、市は2008年に地域防災計画を改定。その後09年に防災行政無線を導入したが、情報伝達経路を見直さず、計画を改めなかった。職員の初動体制マニュアルは01年に作られたままで、組織変更で新しい課ができたのに反映されず、一人一人の役割も書かれていない。その結果「一部の職員以外は指示待ち状態となり、初動の動きが鈍くなった」とした。

 地震の後、市庁舎の防災無線室で津波からの避難を繰り返し呼びかけたが、防災無線の親機の故障で、音声が出ていなかったことがわかっている。市職員が故障に気づいたのは揺れの4時間以上後だった。

 庁舎内に置かれたモニター用の受信機の音やランプで無線の不具合を確かめられるようになっていた。ところが職員らはそうした仕様を知らず、放送が聞こえないのは受信機の音量を絞っているからと判断したという。検証委は「職員が無線故障時の対応を習得しておらず、無線機メーカーからも非常時の説明が不足していた」と指摘した。

 遺族の一人で、第三者による検証を求めてきた遠藤道男さん(55)は「市の危機管理意識がなかったということ。人災もかなりの割合を占める」と話した。


宮城のニュース

名取・閖上「市の初動対応に不備」 第三者委中間報告

 東日本大震災の津波で750人以上が犠牲になった宮城県名取市閖上地区の避難誘導状況などを調べる第三者検証委員会(委員長・吉井博明東京経済大教授)の第3回会合が26日、市文化会館であった。震災直後の職員の初動体制など、市の防災対策の不備を指摘する中間報告が示された。
 住民や市職員らに聞き取りをした結果、市の地域防災計画が2008年を最後に改定されていなかったことが判明した。
 防災無線整備に伴う住民への情報伝達方法などが計画に反映されておらず、中間報告は「地域防災計画の軽視」と指弾。「(職員の)初動対応のマニュアルがなかったのと同然」とし、一部職員以外は指示待ちの状態になって初動が遅れたと推定されるという。
 午後7時ごろまで防災無線の故障に気付かなかったことに関しては、職員が故障時の対応や確認の操作手順を習得していなかったことに言及。職員は、「放送が聞こえないのはハウリング防止のためボリュームを絞ったため」と理解していたという。
 閖上公民館から閖上中への再避難で結果的に多くの犠牲者が出たことをめぐっては、複数の人物によって移動が呼び掛けられた可能性があり、断続的に移動が行われたとの調査結果を示した。再避難の妥当性については、さらに分析を進める。
 検証委は来年1~2月に東北大大学院工学研究科で防災無線の不具合に関する実証実験を行い、年度内に最終報告をまとめる方針。
2013年12月27日金曜日 河北新報






 第三者委員会の中間報告は厳しい内容

  第三者委員会の中間報告は厳しい内容となりました

  1)防災無線は情報伝達方法が地域防災計画に反映されていない

    ・・・地域防災計画の警視と指弾

   職員の故障時の対応や確認の操作手順が習得されていなかった

   など、問題点が浮き彫りになりました




名取市東日本大震災第三者検証委員会 第3回

(1)災害対策本部検証作業報告













(2)避難行動検証作業報告








(3)無線不具合検証作業報告












水曜日, 12月 25, 2013

名取市浸水区域図



浸水区域内の方で閖上地区内に住宅再建する方は、市独自の土地住宅取得補助が支援されます