火曜日, 8月 05, 2014

震災慰霊碑除幕式 仙台高専生が演出

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宮城社会3.11大震災



慰霊碑が建立される現場で花き農家(右端)と打ち合わせをする仙台高専の学生ら
 東日本大震災犠牲者の慰霊碑の除幕式が11日に名取市閖上地区で行われるのを前に、仙台高専の学生が会場のレイアウトを考えたり、花で飾ったりする計画を進めている。式典終了後も慰霊空間の整備に取り組む方針。行政に全て任せるのでなく、市民参加で心が安らぐ祈りの場をつくりたいという。
 慰霊碑は名取市が日和山向かいの市有地に建てる。将来は閖上地区内に震災メモリアル公園を整備し、慰霊碑なども公園に移す計画。今回は仮の建立となる。
 一帯は災害危険区域に指定され、現在も荒涼とした風景が広がる。市内にキャンパスがある仙台高専建築デザイン学科の7人が「市民が手を合わせるのにふさわしい環境にしたい」と、市に協力を申し出た。
 5月に準備を始め、式典会場に扇状に椅子を並べるなどのレイアウトを決めた。雰囲気を明るくするため300本近いプランターの花で飾る計画。花き農家のアドバイスを受けながら花の種類や配置を考えている。
 今秋からは慰霊碑の周辺に花壇を整備するなど継続的な緑化に取り組む方針。できるだけ多くの市民を活動に巻き込み、メモリアル公園を整備するころには、市民総ぐるみの公園造りになるような機運を醸成したいという。必要な資金は、インターネットで出資を募る「クラウドファンディング」で確保する計画だ。
 4年の星祐希君(19)は「閖上の復興は進んでいないが、明日への希望が感じられる場所にしたい」と意気込む。指導する小地沢将之准教授は「多くの方の思いが詰まった慰霊空間になってほしい。こうした活動が少しでも復興の足掛かりになればいい」と期待する。


2014年08月04日月曜日 河北新報

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