平成26年度6月議会における請願第 1 号について
【請願に対する紹介議員聞き取りについて】
執行部より19日の説明会の後、役員会・班長会・全体集会を経て
私が住民集会で聞いた愛島東部仮設に住む、皆さんの生の声を聞いてください
◇どうしてもっと早く住民と話し合いができなかったのか契約間際の説明では理解できない。
事前に分かっていたはずで、何故直前の説明となったのか。
◇住民の声を何故聴いてもらえないのか、一方的すぎる
◇復興の遅れのしわ寄せを住民がしわ寄せを食うのは納得できない
◇スケジュールありきで、仮設住民の考えは聞いてもらえないのか
◇家族をバラバラにしようとするのですか。また、一つの屋根の下で暮らすのが夢だったのに。
じっちゃん、ばっちゃんは年だから、引っ越すだけで負担がかかる。どうすればいいんだか。
◇なぜ、通学世帯や要介護世帯だけ残すのか。団地内のみんなとはずいぶん仲良くなったし、困ったらお互い助け合いお茶のみしながら、この3年間生活してきた。
◇残された住民のコミュニテイはどのように考え、残された世帯ではどうしたら良いか不安である
◇薬の量も増えた人がたくさんいる。説明があった日から眠れない日が続いている。
◇せっかく築いた仮設の隣組の関係がバラバラになるのは、耐え難い。引っ越ししても、今までの関係を築けるか不安で眠れない。孫とも離れることを考えただけで胸が張り裂ける思いがする。
◇県や国と話し合い、最善の方法を模索してほしい
◇閖上の災害公営住宅の建設スケジュールがわからない。閖上に作るより、この土地に建設することのほうが早いのではないのか。
◇3年間非常に苦労してきたコミュニテイが崩壊してしまうので現在の場所に住んでいたい
◇住民は支えあって生きている、もっと、住民のことを考えてほしい
◇災害公営住宅ができるめどが立ってないのに、いつまで仮設に住めばいいのか、また転々とするのではないのか
◇他県や他市町村のボランティアに支えられて生きてきた。住宅再建ができるまで現在の場所で生活を維持したい。将来のめどが立たないまま、引っ越しするのはいやである。
・・・・・・・・・・・・・・等の意見がありました
愛島東部仮設の皆さんは、さまざまな不安とストレスを感じながら、震災後3年間、手と手を取り 合い支えながら、今日まで生活をしてきました。
住民の皆さんの不安の源は住宅再建の遅れにあります。
現状では、閖上の災害公営住宅転居のめどが立たず、先行きの不透明感がある中で、何 とか 今までの生活を維持していきたいと願っているわけであります。
終の棲家を確保するのは名取市の責任であると考えます。
災害公営住宅の建設の予定がわからないままに3年間の仮設生活の支えあいの環境をバラ バラにしてはいけないと思います
土地購入についても、仮設用地の買取による対応の検討など住民の安心を確保すること はで きないのか? という、思いもこの請願の中には入っています。
執行部へは仮設住民の「仮住まい」へ転居を強いる負担を考慮した、対応をお願いした い。
以上の事由により紹介議員として
請願の理由の通り名取市民である愛島東部仮設住宅団地の住民の要望を斟酌いただき、
議員各位のご理解で採択いただきますよう、宜しくお願いいたします。
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【請願審査委員長報告】 郷内委員長より
請願審査委員長報告
請願第1 号 災害公営住宅を愛島東部地区に建設を求める請願について
ただいま議題となっております、請願第 1号 災害公営住宅を愛島東 部地区に建設を求める請願について、東日本大震災復興調査特別委員会 における審査の経過と結果について御報告を申し上げます。
本調査特別委員会は、去る 6 月 5 日の本会議において、本件請願を付 託されて以降、紹介議員から請願の趣旨、内容等について説明を求め、 また、市当局からは、災害♂営住宅を愛島東部地区に建設すること及び、 愛島東部仮設住宅の用地返還に伴う居住者の転居に係る市の考え方について聞き取り調査を実施するなど、全部で 4 回の委員会を開催し、慎重 に審査を進めてまいりました。
また、今回の請願審査においては、議会基本条例に基づき、請願提出 者の意見陳述の機会を設け、請願の趣旨等について請願提出者から直接 伺うなど、鋭意調査に取り組んできたところであります。
本件請願の願意につきましては、愛島東部仮設住宅の用地返還に伴う
転居により、仮設住宅の自治会活動を通じて形成されたコミュニティー
が崩壊することは耐えがたい。仮設住宅から災害公営住宅へ転居する見 通しが立たず住民が復興の遅れのしわ寄せを受けることは納得できるも のではなく、災害公営住宅を愛島東部地区に早期に建設することを求めるものであります。
審査の内容につきましては、まず、 6
月
6 日に実施いたしました紹介 議員からの聞き取り調査においては、市当局の説明会を受けて開催された愛島東部仮設住宅自治会の役員会、班長会、全体集会での生の声が紹
介され、市当局の仮設住宅入居者への説明の遅れや一方的過ぎる説明へ の不満、コミュニティー崩壊への不安と住宅再建の目途が立っていない 先行き不透明な状況であることが請願提出に至った経緯であることなど
について説明を受け、請願の内容等について確認を行いました。
次に、同日実施いたしました請願者からの意見陳述においては、突然の市当局
からの説明に対して入居者が抱いている、転居やコミュニティーの崩壊などへ
の不安と、いつになったら希望する定住の地が確保されるのかという先が見
えないことへの不安解消のために提出された請願で あること。その請願に託し
た思いを伺うことができました。
次に、請願者からの意見陳述の後実施した市当局からの聞き取り調査 に
おいては、入居者への説明が遅れた経緯や災害公営住宅を愛島東部地 区に建設することは、土地の買い取り等も進んでおり災害公営住宅の建 設計画のみならず、関上地区土地区画整理事業全体への影響もあること から難しいとの見解が示されました。また、応急仮設住宅の借地についても長期的契約は難しいが、愛島東部第二土地区画整理組合主は、今後 も借地の継続について協議すること。転居については、まとまって転居できるようにと考えており、その受け皿としては、下増田災害公営住宅 の建設を進め、美田圏第 2 応急仮設住宅を検討していること。引き続き、 入居者の方々と相談しながら進めることなど、市の考えが示されたところであります。
次に、 6月 1 2 日に実施いたしました請願審査で出された採択すべき とする意見といたしましては、「コミュニティーを大切にしたいというひとつのあらわれとして仮設住宅の場所に終の棲家を建ててほしいという思 いは認めるべき」 とする意見、「被災者は仮設住宅の中で生活し、苦労し てきた。先が見えない不安、時間の経過によ り 我慢も限界である。議会 としてその思いを受け止めるべき」とする意見、「結果的には集団で転居 できる場所を確保してほしいとい うあらわ れ。住民の意向を酌むべき。」 とする意見などがありました。
一方、願意に沿いがたく不採択とすべきとする意見としては、「市の説 明不足はあるが、復興計画に与える影響、閑上に戻ると言っていた方が、 ここでよいとなった場合、計画全体の見直しまで含まれる内容である。」 とする意見、「唐突な説明でコミュニティー崩壊の危機を迎えてい ること は、同感する。しかし、今年秋には造成工事が着工となる中で災害公営 住宅を新たに建てるとなると計画の変更、さまざまな計画全体への影響が出てくることが考えられ、そのような影響を考えると愛島東部地区へ
の災害公営住宅建設は、非常に難し」 とする意見、「遅れに遅れている 本市の復興計画がさらに遅れることとなる。早く実現してほしいと願っている人もいるので、賛成しかねる。」 とする意見などがありました。
以上の審査経過を踏まえ、採決を行った結果、本件請願については
願意に沿いがたいものとし、賛成少数により、不採択とすべきものと決した次第であります。
なお、審査過程において、附帯意見を付しておりますので、読み上げ ましてご報告いたします。お手元の請願審査報告書・附帯意見をご参照 願います。
【付帯意見】
急仮設住宅での生活も 3 年を過ぎ、入居者はさまざまな不安を抱えながら生活しており
1日も早い復興を願っている。
転居要請に当たっては、これまで築き上げたコミュニティーが崩壊することのないよう入居者の思い
に配慮し、その受け皿について十分に検討するとともに、入居者への説明をつくし理解を得ながら
進めるべきであり、入居者の住まいの確保と生活の維持に最大限配慮すべきものと考える。
以上が本調査特別委員会に付託されました請願についての審査経過と結果及び附帯意見でございます。本会議におかれましでも慎重審議賜り ますようお願いを申し上げ、報告といたします。
【本会議最終日における、賛成討論】
ただいま議長のお許しをいただきましたので、議題となっております請願第1号 災害公営住宅を愛島東部地区に建設を求める請願について賛成の立場から討論を行わせていただきます。
このたびの、土地の賃借契約にかかる転居について当局からの説明の後、この3年で築いた絆の分断への不安と、災害公営住宅へいつになったら住めるのかなどの将来への心配や不安により眠れない日が続いているなど、動揺が広がっています。
愛島東部仮設の住民の皆様は、震災で受けた精神的苦痛を和らげるために自治会を中心として積極的にボランティアを受け入れ、コミュニティを維持してまいりました。
閖上地区の災害公営住宅の建設も遅々として進まず、いつ住めることになるのか見通しもわからず、転居先での暮らしへの不安もあり先の見えない将来への希望もない転居には反対との統一した住民意見の中で、此度の請願が提出されたものであります。
災害公営住宅を愛島東部地区に早期建設のため、請願への署名は仮設団地内では248名にのぼり、全体では1367名の署名簿の提出となりました。
この署名簿と請願の民意をうけ、議会人として門前払いするのではなく、住民の要望を真摯に受けることこそ必要ではないのかと考える次第であります。
計画の遅れについても、どれくらい遅れるのか説明がない。いつまで待つのか?閖上の計画と比べてどの期間の遅れになるのか。行程がわからない。など、多くの声がありました。
住民の皆様の希望は、当地での災害公営住宅建設が近道であるという判断をしたことです。
以上により、仮設住民の要望を重く受けとめ、災害公営住宅を愛島東部地区に建設することを求める請願に対する「賛成討論」といたします。
名取市議会議員 5番 及川秀一